ニッカウイスキー
土井です、こんにちは
8月の末に夏休みを頂き、ダンナさんと北海道へ行ってきました
楽しい思い出がたくさん出来ましたが、中でも一番感動したニッカウイスキー余市(よいち)工場見学のお話をします。
寿屋(現サントリー)の社員であった竹鶴政孝が退職して、スコットランドに近い気候の北海道余市で
ウイスキーつくりを始めたのがニッカの始まりです。
ウイスキーづくりは時間がかかるので、創業当時はりんごなどをジュースにして日銭を稼いでいたそうで
当時の社名が「大日本果汁株式会社」といい、ウイスキーを出荷するにあたって、
リンゴジュースの商品名であった「日果」をカタカナにし、「ニッカウイスキー」としたらしいです。
美味しいウイスキーを作るためには、「良い原料」と「技術」のほかに、適した「気候風土」と熟成させる「時間」が必要です。
海と山に囲まれた余市は、朝夕に靄(もや)がよく立ち込めます。
この靄が貯蔵庫の樽を乾燥から守り、気温差を少なく保ちます。
(温度、湿度の機械管理は一切していません)
置かれる樽の位置によっても、個性に違いが出るそうですよ
モルトウイスキーの製造工程は、
麦芽を乾燥
↓
粉砕して温水を加え、
↓
ろ過して酵母を加えて発酵
↓
蒸留
↓
樽詰め・熟成
それぞれの工程に、ものすごいこだわりと技術があるのですが、たとえば、麦芽を乾燥させるために、ここ余市工場では、石狩平野のピートを燃やして乾燥させます。
(ピートとは、泥炭または草炭とも呼ばれる石炭になる前の段階のものです)
ピートを使うことによって原料に独特の香りがつくそうです
↑ピートの実物です
蒸留工程では、創業当時から変わらない、石炭での直火炊きをしています。
熟練の職人が、長年の経験をもって、石炭をくべ、温度を見ているそうです
熟練の職人技に、機械はまだまだ勝てないのでしょうね
それぞれの樽から出来上がる原酒を組み合わせ、味と香りの幅を広げるブレンダー職人、そのブレンダーの要求に応える樽作り職人、そのほか、たくさんの人たちと余市の自然、さらにウイスキーがまろやかに熟成されていく長い時間・・・
今はなんでも効率化の時代ですが、一見、非効率なやり方が、すばらしい価値を生み出すこともあるのだと
改めて感じさせられました
ウイスキーの世界的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード」で
ニッカ「竹鶴21年」が、07年、09年、10年と3回も世界最高峰のピュアモルトウイスキーと認定されています